給食の完食を強要することは正しいのか。感覚過敏とHSCを知ってほしい

突然ですが、学校給食をどのように考えていますか?

子供の学校生活において、給食のことはあまり気に留めたことがないという人が大半なのではないでしょうか。

でもその給食が原因で、学校が辛いと思っている子供が少なくありません。

ネットでも話題になったりなどして学校給食が注目されていますが、多くの人が知らない感覚過敏やHSCについても知ってほしいなと思います。

 

「好き嫌いをなくそう」は正論かもしれない。でも・・・

多くの学校では、「給食を残さず食べよう」と指導されます。
私が子供のころもそうでした。

ではあなたが子供のころ、休み時間まで給食を食べている子はいませんでしたか?

おそらく1度は見聞きしたことがあるでしょうし、もしかしたら自分がそうだったという人もいるでしょう。

昔・・・少なくとも私が子供のころにもそういった光景を目にすることがありました。

そして「なんでそんなに時間かかるの?」とか「嫌いなものも食べないと」とまくしたてる先生や同級生がいました。

私の場合、幸い「給食は食べられなかったら残しても良い」というスタンスの先生ばかりだったので事なきを得ています。

でも両親が「嫌いなものも残さず食べなさい」という人だったので、食事が苦痛に思うことが多々ありました。

今でも言われます。
「食事の時間が長くて、いつも怒られていたよね」と。

嫌いなものを残すなという方針だったため、どうしても食べられない私は幾度となく怒られて泣いていた記憶があります。

言っても怒られるのが目に見えていたから、食べられないとは言えませんでした。

今となっては思い出に変わりましたが・・・。


 

先日、こんな話題がYahoo!ニュースのトピックスに上がっていました。

中学校の生徒が食べ残しを減らす運動を展開し、食べ残し率の低さが市内1位になったという話です。

フォロワーさんのつぶやきで知ったこの話題ですが、この記事を読んで正直ゾッとしました。

「給食が苦手な子は、どうしていたんだろう」と。

「好き嫌いをなくそう」という指導は、一般的に家庭でも学校でもされます。
もちろん、好き嫌いはない方が良いに決まっています。

でも「嫌いだから食べない」ではなく、「食べられない」という子供もいるんです。

多くの大人たちは、偏食はただの好き嫌いだと思っているでしょう。
それは間違っています。

私も大人になって、子育てをするようになるまで、いや本当につい最近まで、同じように思っていました。

偏食は好き嫌いだけじゃないというのは、息子の子育てで気づくことができました。

息子には発達障害があります。
そして、発達障害のある人には偏食が多いと言われています。

 

感覚過敏とHSCを知っていますか?

偏食になってしまう原因の一つに、感覚過敏という症状があります。

「感覚過敏(過剰反応性)」とは、光や音などをはじめとする特定の刺激を過剰に受け取ってしまう状態のことを指します。逆に、刺激に対する反応が低くなることを「感覚の鈍感さ(鈍麻・低反応性)」といいます。どちらも感覚のはたらきに偏りがあることが原因です。

引用:リタリコ発達ナビ https://h-navi.jp/column/article/35025696

簡単に言うと、五感がとても敏感だということです。

症状の出方や強さ、どんな感覚が敏感かというのは人それぞれ異なります。

感覚過敏と給食はどのような関係があるの?と思うかもしれないので、例を簡単にご紹介します。

これは家庭や外出先での食事も関係しています。

・食材や調理方法(味覚や触覚、聴覚)

 →シャキシャキやムニムニなど特定の食感、または1つの料理に異なる食感があるなど。また、苦味や酸味などを感じやすく苦手、噛んだ時の音など。

・料理のニオイ(嗅覚)

 →息子の場合、ゴマ油のニオイが特に苦手で料理を食卓に置いただけで吐き気をもよおします。

・食器(視覚・触覚・聴覚)

 →給食の場合、アルミなど食器の材質や色、カチャカチャという食器から出る音が苦手。

・見た目(視覚)

 →料理そのものの色を苦痛に感じることがあります。

・食べる環境

※あくまでも一例で、人それぞれ苦手が異なります。

感覚過敏という症状に悩まされている人はたくさんいます。

そして給食が苦手な子の中には、こういった症状が原因であることも少なくないのです。

もちろん、発達障害の子供が必ずしも感覚過敏とは限りませんし、このような症状があるから発達障害だというわけでもありません。


 

また、障害ではないにも関わらずとても敏感で繊細な人はたくさんいて、その数は5人に1人とも言われています。

聞いたことがない人も多いかと思いますが、HSC・HSPと言われています。
HSCはひといちばい敏感な子、HSPはひといちばい敏感な人という意味です。

そしてこのような人たちも、給食が苦手という場合が多くあります。

発達障害の子供で感覚過敏がある場合、比較的理解されやすいかもしれません。
(正直まだまだ認知度は低いと思っていますが)

でも、HSC・HSPの人たちは障害ではないために理解されにくいという現状があります。
多くの人が、障害の有無を一つの目安としているためです。

その結果、発達障害からくる感覚過敏ではなく、敏感気質が原因で様々な困難があるHSC・HSPの人たちの方が、とても辛い思いをしているのです。

ですから本来ならば、障害の有無なんて関係なく理解や配慮がされるべきではないのでしょうか。

障害者と健常者を分けて考えてしまうから、このようなことが起こってしまう。
障害の有無を目安にしてしまうから、さらなる社会の不寛容さが出てしまうんだと思います。

まずは知ってほしいです。

参考:ADHDやアスペルガーじゃない? 5人に1人はHSC(ひといちばい敏感な子)。その特徴とは?

 

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給食は残さず食べなければならないのか

先にご紹介した学校の生徒が悪いとは思っていません。
でも、様々な理由で給食が苦手という子がいたとしたら。

その子にとっては毎日が苦痛なんです。

普通に食べられる子にとっては残さないことが気持ちの良いことでも、苦手な子にとっては地獄です。

「給食は残さず食べよう」と指導するのは結構なことです。
でも。

その理由の多くは「作ってくれた人に感謝しなさい」「好き嫌いはあっちゃいけない」

食べられないから感謝していないわけでもなければ、嫌いだから故意に食べないわけでもないのです。
そういう子に強要することは、果たして良いことなのでしょうか。

話題に出た学校がどのようにしていたのかはわかりませんが、残菜をできるだけなくしたいのなら、好き嫌いなくたくさん食べられる子がカバーすれば良いのではないでしょうか。

食べられる量だって、子供によって違います。

 

完食を強要する先生がいる

息子は給食が苦手です。
食べようという努力はしていますが、苦しいと感じています。

ただ、苦手な部分は先生が理解してくれているので、あらかじめ食べられるものを食べられる分だけ食べています。

ところが、学校の先生の中には「残さず食べる」ことを強要している場合が少なくありません。

私の甥っ子の担任は、そのような方針。甥っ子もまた給食が苦手で、とても敏感な子です。
食べられないときは、休み時間に一人教室で食べることもあります。

食べ終わるまで休み時間はなし。
どうしても食べられない。

そういうときは先生に謝るんだそうです。

すると先生は「みんなにも謝れ」と。

「残さないのがクラスのルールなのに、残した。みんな頑張っているのに、一人のせいで達成できない。」

これがクラスメイトに謝らなければならない理由だそうです。
また「作ってくれた人に謝れ」とも。

子供に辛い思いをさせてまで、達成しなければならないのでしょうか?
休み時間も給食を食べさせられること、みんなの前で怒られること、みんなに謝ること。

ここまで屈辱を受けなければならないのでしょうか。

甥っ子はこのことが原因で、さらに給食が苦手となり、毎日の給食の時間が憂うつだと言っています。

 

まとめ~知らないことを知るのはマイナスにはならないはず

「頑張れば苦手は克服できる」
そう考える人もきっといるでしょう。

でも、頑張ってもどうにもできないことだってあるんです。
そしてそれはどんな人にでもあるはず。

少なからず、給食が苦手な子供の中には感覚過敏やHSCが原因という場合もあります。

ですから障害や診断の有無だけで判断せず、考え方を少し変えてみて欲しいなと思います。

この考え方は給食に限らず、様々なことにも言えるのではないでしょうか。
知ることと理解、そして給食指導の在り方について考えるきっかけになれば幸いです。

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